川上弘美の『東京日記 卵一個ぶんのお祝い。』と『東京日記2 ほかに踊りを知らない。』を読了した。

東京日記 卵一個ぶんのお祝い。

東京日記 卵一個ぶんのお祝い。

東京日記2 ほかに踊りを知らない。 (東京日記 (2))

東京日記2 ほかに踊りを知らない。 (東京日記 (2))

 日記形式で書いてあるけど、ひと月ごとにひとつの短篇として読めるように書いてある。日記としてみると最初の日のエピソードは本当にあったことで、最後の日のおちに当たるエピソードがフィクションのように読める。
 はなしの質感が川上弘美としては初期の芥川賞をとっていたころの小説に似ていて、そのころの川上の小説にびっくりしていたので、読んでいてうれしくなってしまった。繊細な肌触りの小説なので、この種のものとしては早く読みすぎてしまったような気がする。もっとゆっくり味わって読むべきものだ。