センス・オブ・ワンダーを感じた。

人類は衰退しました 2 (ガガガ文庫)

人類は衰退しました 2 (ガガガ文庫)

 2話収録されていて、ひとつめはライトノベルらしいネタ小説(テレビでいえばドラマとバラエティーのあいだ。深夜の時代の「はねるのとびら」みたいなもの。火浦功とり・みきの流れにあるものだ。)なのだが、ふたつめの「妖精さんたちの、じかんかつようじゅつ」は扉を開けたというか、1段階上に昇ったというか、ある種の感動がある。
 それをセンス・オブ・ワンダーといってもいい。
 単なるネタとしては消費できない小説としてのひっかかりがあるのだ。時間SFのアイデアでしかないものが最後の看板の言葉でひとつの着地をするとき、言いようのない感情がおこったのだ。
 それが田中ロミオのファン層を広げることになるのか、狭くすることになるのかはわからないが。