『虐殺器官』(伊藤計劃)を読了。

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)

 図書館で借りてきては読めずに返していた。そこを『SFが読みたい!』でゼロ年代1位になったのと、文庫化されたものを買ったのを機会として、もう一度読もうとチャレンジした。
 虐殺文法にはなるほどと、うなづきつつも平静だったが、ジョン・ポールの虐殺の動機にはショックを受けた。そこにつづく怒涛のエピローグ。このエピローグのものがたりが流されていくことに小松さんが不満を覚えたのもよくわかる。物語のおもしろさがようやく第5部から始まる。ただ一撃必殺のミステリーだとすれば、もうそのことにはやられてしまった。