もっと読まれてほしい。

読むのが怖い!―帰ってきた書評漫才 激闘編

読むのが怖い!―帰ってきた書評漫才 激闘編

『読むのが怖い!』は雑誌「SIGHT」に連載されていて、最初は載っているから読むというものだった。が、次第に『読むのが怖い!』を読むために雑誌を買うというように変わっていった。

 よいのはやはり北上次郎の存在だ。
 ぼくは夢枕獏が好きなのだが獏さんはSFからの影響だけでなく、日本の伝奇小説のながれも受け継いでいる。
 北上は日本の伝奇小説を押さえている人なのだ。
 日本の大衆小説の父といわれる白井喬二や伝奇小説の巨人の国枝史郎は単行本になっていない雑誌連載のものまで目を通しているのだ。
 そういった和モノから洋モノのエンターテイメントの古典に精通した北上が大森望の薦めるいまどきの小説にどういった判断をするのかというバトルは本読みなら誰でもわくわくするはずだ。